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眠ったつもりが眠れていない。いびきが大きく、家族に指摘される。昼間眠くてしょうがない。このような方はいびきに伴なう睡眠障害におちいっている可能性があります。これは最近マスコミでも話題になっている、睡眠時無呼吸症候群という病気です。
1.睡眠時無呼吸症候群とは
いびきに伴なう睡眠呼吸障害で、睡眠中に頻回に呼吸がとまる疾患です。医学的な定義は、「一晩の睡眠(7時間)中に10秒以上の呼吸停止が30回以上みられる場合、または1時間の睡眠中に5回以上の呼吸停止がある場合」とされています。本邦での患者さんの数は人口の1〜2%、すなわち120万人以上の患者さんがいるといわれています。しかし本人はきづかず病気と自覚していないため、見逃されている場合が多いのです。この疾患は、睡眠中の呼吸停止の結果、低酸素や不整脈、ひいては突然死を生じる疾患と考えられています。また、高血圧症、心臓病、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を高率に合併します。
さらにこのいびきによる呼吸停止は、脳波でしか確認できないような覚醒を睡眠中に繰り返すため、慢性的な睡眠不足となり大きな事故につながることで社会的な問題となっています。スリーマイル島の原発事故やスペースシャトルチャレンジャー号の事故などもこの睡眠時無呼吸が原因でした。また、自動車事故の発生率は7倍にもなると報告されています。
2.診断のポイント
自覚症状としていびき、朝起きたときに口が渇いている。睡眠は十分に取ったはずなのに眠気がある。以前に比べ集中力や記憶力が低下した。考えがなかなかまとまらない。仕事の能率低下、イライラ・短気、朝起きた時に頭がすっきりしない。何回も居眠り運転をして事故を起こしそうになる。起床時の頭痛、気分の変調、不安、うつ状態、性欲減退、睡眠中に何回も目がさめてトイレにいく。昼間の幻覚、難聴がある。などです。また、ヘビースモーカー、肥満の方、首が短く顎が引き気味の方も要注意です。
3.検査
夜間の睡眠状態をコンピューターでモニターします。最近では自宅において簡単にスクリーニング検査が行えます。一晩、小型のコンピューター装置を装着し、翌日返却していただき、ただちに解析すれば結果がでます。無呼吸の回数、低酸素の回数、無呼吸指数、動脈血酸素飽和度、脈拍数の変化などがわかります。
重症例や判断に迷うときは、より詳しくポリソムノグラフィーで調べます。脳波計、眼球運動、下顎の筋電図、鼻、口の呼吸、いびき音、心電図、胸、腹の動き、体位、足の筋電図などを同時に測定し、無呼吸数や酸素の低下の程度、睡眠の深さ、心拍数、いびきの時間、異常な足の動きがあるかどうかなどを判断します。これで睡眠時無呼吸のタイプ(上気道が閉塞するタイプか、中枢神経が原因か、その混合型か)を診断します。
4.治療
日常生活の中では睡眠時の体位の工夫すなわち横向きに寝ると症状の軽快が認められることがあります。肥満があれば減量だけで治療が可能です。アルコールは危険因子なので控えましょう。
1.CPAP(経鼻持続陽圧呼吸療法)(写真1)
鼻から空気を送る簡単な人工呼吸器を使う治療です。中等から重症の睡眠時無呼吸症候群に適応となります。
2.マウスピース治療
治療用のマウスピースを使います。単独治療としては単純いびき症から中等度の睡眠時無呼吸症候群までが適応です。
3.手術療法
軟口蓋や口蓋垂の切除手術や扁桃肥大の手術を行います。 |
(写真1) |
5.終わりに
いびきや睡眠時無呼吸症候群を治療することで、質のよい睡眠を取り戻し、快適かつ活動力あふれる生活が可能となります。また、高血圧、心肥大などの疾患を改善することもできます。たかがいびきと思わないでしっかりと治療する事が大切です。睡眠時無呼吸症候群の心配のある方はお気軽にまずご相談を。
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