高血圧の予防

血圧を下げるには

中身(血液)と入れ物(血管)

血圧は、中身(血液)と入れ物(血管)の関係によって決まると言われます。

中身の血液が増えないでいれば、血圧は上がりません。また、入れ物である血管を柔らかくしておけば、血圧は上がりません。

血液を減らすには

血液を減らすには、塩のとり過ぎを避けることです。

塩をとり過ぎると、それを薄めるために血管の中の水の量が増えて血圧が上がるからです。

血管を柔らかくするには

一方、血管を柔らかくするためには、精神的ストレスを避けることが大切です。

動脈硬化のすすみ方を遅くする運動も、血管を柔らかくさせる効果があります。

有酸素運動

有酸素運動も、血圧の改善に役立ちます。

有酸素運動をすると、運動中の筋肉の長さが常に変化し、筋肉の伸縮がポンプのはたらきをします。それによって、たくさんの筋肉に血の新道ができます。

これは、入れ物が大きくなったに等しく、血圧に改善をもたらします。

高血圧の種類

ひとくちに高血圧といってもいろいろな種類があります。

本態性高血圧

最も多いのは本態性高血圧といわれる原因不明のもので、100人の高血圧者のうち85人はこれに属します。

2次性高血圧

本態性高血圧以外は、2次性高血圧と呼ばれ、ほかの病気の結果血圧が上がったものです。例えば、腎性高血圧、褐色細胞腫、副腎皮質ホルモン過剰分泌、高アルドステロン症などによる血圧上昇がこれに該当します。

2次性高血圧については手術も含めてその原因疾患の治療が優先される場合が多いです。

三段階の病期

本態性高血圧についてはWHO(世界保健機関)が三段階の病期をあげています。第1期は合併症なし、第2期は心臓に肥大が、第3期は心臓、肺、腎臓などに障害がみられる時期です。

運動中の血圧

有酸素運動の際には、正常者では血管の抵抗が低下しますが、高血圧の人では第1期でも細動脈が変化しているために運動中の血管抵抗の低下が少なく、運動中の血圧は正常者より高くなります。年齢と病期がすすむと運動中の血圧上昇はさらに顕著となります。

運動前に血圧を正常にしよう

心筋梗塞、解離性大動脈瘤による大動脈破裂、有害不整脈、脳の小動脈瘤破裂によるクモ膜下出血等が血圧上昇に直接まつわる運動中の急死の原因としてあげられますが、これらを避けるためにも、運動開始前に血圧をできるだけ正常化しておく必要があります。

降圧剤の服用

よく「血圧を下げる薬は飲み始めるとやめられないそうだから飲みたくない」と言う人がいます。

たしかに本態性高血圧は原因不明ですので、薬では原因を治していませんからやめれば血圧が上がってしまうことが多いのですが、これは薬を飲み始める前から決まっていたことです。

放置すれば、血管がボロボロになる恐れ

薬を飲まず高血圧を放置すると、動脈硬化がぐんぐんすすんで血管がボロボロになってしまう恐れがあります。