「機能性食品」という言葉が使われだしたのは1980年代半ばだった。それまでの食品研究は、肉体を作る素材やエネルギーの供給源としての栄養機能(一次機能)と、味や香り、色など「おいしさ」を求める感覚機能(二次機能)が中心だった。

だが、研究が進むにつれ、食品には、体調を調節する3番目の機能(三次機能)があることがわかってきた。

例えば、血や肉となる大切な栄養素のたんぱく質は、人の小腸の中で、いくつかのアミノ酸が集まったペプチドに分解される。このペプチドには、カルシウムの吸収を促進したり人間の眠りを誘うなどいろいろな働きがある。

それに、腸の中にいるたくさんの細菌のうち、ビフィズス菌などの“善玉菌”は、体調を整え、有害物質を排出する働きがある。


機能性因子

これらの物質を「機能性因子」と言い、当時分かっていたのが約200種類だった。シイタケ、シジミなど昔から体にいいと言われていた食品から見つかったものがほとんどだ。

それで厚生省(現:厚生労働省)は、1988年8月には専門家による「機能性食品懇談会」をつくった。機能性食品の製造、販売のための具体的な表示制度や評価方法などの検討を始めた。


昔からの言い伝えや学会の認知

厚生省(厚労省)は、昔からの言い伝えや経験などから効果がはっきりしているもの、学会などで認知されたものから表示基準を設けて、認可するようになった。

機能性食品を製造許可制にしたのは、以下の理由による。

  • (1)有効成分と機能を表示して、正しい知識を消費者に与える。
  • (2)必要量を明示し、取りすぎによる危険を避ける。
  • (3)食べやすい食品の形にして、安く利用できるようにする。

不老長寿

民間では、食品業界が1987年(昭和62年)9月に「健康食品懇話会」を設立した。早々に候補作品を製造販売し始めた。

病気の予防をうたい、不老長寿への夢を広げる機能性食品。だが、健康食品のはんらんの二の舞いとなる恐れや、機能性を気にするばかりに、食生活を無味乾燥にしかねない。注意が必要だろう。

【機能性食品を機能別に分類した場合】
分類機能
■体の防御・アレルギーを軽減化する食品
・免疫を強化する食品
・リンパ系刺激食品
・高血圧を予防する食品
■病気の予防・糖尿病を予防する食品
・先天性代謝異常障害を防ぐ食品
・抗腫瘍(しゅよう)食品
・コレステロールを制御する食品
■病気の回復・血小板が凝固するのを防ぐ食品
・造血機能を調節する食品
・中枢神経を調節する食品
■体調リズムの調節・末梢(しょう)神経を調節する食品
・摂取機能調節食品
■老化の防止・過酸化脂質ができるのを抑える食品

参考動画

「トクホ」と「機能性表示食品」の違い。