サヤエンドウ(さやえんどう)
サヤエンドウには、消化吸収をつかさどる「脾」と胃の働きを活発にすることで、体内にたまった余分な水分の排出を促す効果があると言われています。日頃からむくみやすい人、だるさを感じている人は、サヤエンドウ(えんどう豆)を食べてみるとよいでしょう。
花粉症をやわらげる
サヤエンドウは、春先に多いダラダラと流れる水っぽい鼻水、涙、肌のかゆみなど、花粉症のなかでも水分代謝の悪い人に起きやすい症状をやわらげてくれるとされます。炎症を抑えて解毒する働きもあり、吹き出物、湿疹、ジュクジュクした水虫の症状改善に役立つようです。
産後に飲みたい
また、津液(しんえき)を補う作用があり、とくに母乳の出をよくするので、産後はえんどう豆のスープを食べるとよいと伝えられています。
キヌサヤやスナックエンドウ
サヤエンドウはいくつかの種類があり、さやの小さい「日本絹さや(キヌサヤ)」、大ぶりで柔らかい「オランダさや」などのほかに、グリンピースのように実をふくらませてからさやごと食べる「スナックエンドウ」などが出回っています。
出盛りは4~5月
彩りに使うだけでなく、旬にはさやえんどうを主にしたお惣菜もおいしいもの。出盛りは4~5月です。
選び方
新鮮さを第一に
とりたては、さやに張りがあって、表面は粉がふいたように薄白く、つやがありません。これを茹でると鮮かな濃緑になります。
甘味
新しいものはびっくりするほど甘味があり、時間がたつとぐんぐんと味が落ちるのは、他の豆類と同じですから、できるだけ新しいものを選びましょう。
保存方法
すぐに調理
購入したらすぐに調理したいものですが、やむをえず保存するときは、紙に包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ。茹でて冷凍保存もできます。
使い方
筋をとるには
出盛りの柔らかい時期の絹さやは、筋をとらなくてもよい場合もありますが、春たけてから出回るものや、大きなものは、丁寧に筋をとり、形よくととのえます。喰いちぎったようでは、それだけでお料理全体が雑に見えてしまいます。軸の方から二方に分けてとり、花おちの部分は、そのまま形を残します。
茹でるときは
たっぷりの湯を沸かし色よく仕上げます。又、せん切りは切ってから茹でるのがこつ。生のうちならいくらでも細く切れます。
サヤインゲン(さやいんげん)
サヤインゲンは、栽培期間が短く、年に何度も裁培できることから、「三度豆」とも呼ばれます。早生の「つるなし」、夏場の「どじょう」、初冬から春先にかけての「平豆」などの品種があり、ハウスでも栽培されているので一年中出回っています。中でも、夏の「どじょういんげん」は、いんげんの風味が濃くておいしいと言われています。
栄養
サヤインゲンの豆には澱粉(デンプン)、たんぱく質とともに穀物に不足しがちなアミノ酸、リジンが多く、緑のさやにはビタミンA、B1、B2、が豊富に含まれています。
選び方
買うときは、緑色が濃く、細めでみずみずしいものを。さやの上から、中の豆の凸凹が目立つものは、かたくなっています。調理のとき、しならせてポキッと折れるものは新鮮です。
保存方法
豆類は新鮮さが命ですから、なるべく早く使いきりたいものですが、生で保存したいときは、空気にさらさないようにラップで包んで、冷蔵庫の野菜室に入れます。
調理
茹で方
筋をとった300~400gのいんげんに大匙1杯位の塩をまぶし、たっぷりわかした湯(5カップ)に入れて強火で茹でます。蓋はしません。
爪が立つ位に柔らかくなったらざるに上げ、冷水を手早くかけて熱をとります。このとき塩けがほしいなら、塩をパラパラふっておくと鮮やかな緑色が保てます。
割るときは
太いものは、合わせ目でないところを縦半分に割って茹でると茹で時間も短く、色も見た目にも美しく仕上がります。さやえんどうと同じで、きれいなせん切りにしたいときは、あらかじめ切ってから茹でます。